〒981-3213 宮城県仙台市泉区南中山2-38-3

TEL:022-376-0180

FAX:022-376-0181

E-mail:clinic@okabeclinic.net


無呼吸の治療

1.生活習慣の改善

  いびきや無呼吸はベッドパートナーに迷惑をかけますが、この疾患の恐ろしさは様々 な合併症を高率に伴う事です。高血圧を発症する可能性は2倍、狭心症・心筋梗塞は3 倍、脳血管障害は4倍といわれています。
 少し古い報告ですが、重症の患者さんを無治療のまま放置すると、9年後にはなんと3 割の患者さんは亡くなっていたそうです。
 肥満が無呼吸の原因となっている場合には減量が必要です。減量には規則正しい食 生活を送る事が必要です。3食はしっかりと摂取し、間食を減らし、夕食後就寝までは食 事をとらないようにしましょう。習慣的な運動は基礎代謝をあげ、運動による消費カロリ
ー以上の減量効果がえられます。

2.CPAP療法

鼻に密着したマスクから気道に陽圧をかけて上気道が閉じないようにする治療法です。

ほとんどの方で、無呼吸、低呼吸、いびきが正常化します。 しかし、治すための治療ではなく、無呼吸をコントロールする治療ですので、継続が必要です。

常にいびきや無呼吸が発生しない一定の圧を気道にかけるのが原則ですが、 現在は、機器が無呼吸などを検知し圧を自動で変えるオートモードでの治療が多くなっています。

定期的な受診が必要ですが、重症の睡眠時無呼吸の方では健康保険が適応されます。 健康保険での自己負担は、負担割合3割の方では月々5000円程です。

CPAPによって重症の睡眠時無呼吸の方では心筋梗塞や脳卒中の発症率が低下します。 無呼吸が原因の眠気は改善しますが、寝不足などが原因の眠気は残ります。 ベットパートナーがいびきから開放され、ベットパートナーにCPAP継続を強要される方もいます。 睡眠中の排尿回数の減少や起床時の頭痛の改善などもみられることがあります。

装着状況、装着中の無呼吸の回数、CPAPの圧力、空気もれの量、などが機器からわかります。 定期通院時にはこれらの結果をみながらCPAPが快適に長時間装着できるように診療していきます。

鼻の違和感や閉塞、鼻水、口腔・咽頭や目の乾燥感、腹満感、マスク痕、空気漏れの不快感、 結露、機器の騒音 など多様なトラブルがCPAP開始後にみられます。 マスク装着指導やマスクの変更、CPAP圧の変更、加湿器の設置、点鼻薬や内服薬・軟膏の処方、 チンストラップや開口防止テープの試用などで対応可能なことがほとんどですので、診察時にご相談ください。

3.口腔内装具

 ボクサーがはめるようなマウスピースです。歯科の先生に作成してもらいます。 様々な種類があるますが、いずれも下顎が上顎より少し前方に固定されるようにデザイ ンします。軽症の患者さんやいびき症の方に有効ですが、重症例では無効の事もあります。
健康保険が適応される場合は20,000円程度かかります。

4.手術的療法

 解剖学的に上気道が狭くなっていることが無呼吸の原因ですので、狭いところを手術 で切り取って広げてやる治療法です。様々な方法がありますが、全例に効果があるわけ ではありませんので、手術の適応があるかどうかの判断が重要です。