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持続気道陽圧療法中の糖尿病併発閉塞性睡眠時無呼吸患者の食事指導の有無による体重・血糖コントロール

日比野智香子 及川まなみ 岡部慎一

【目的】

当院では持続気道陽圧(CPAP)療法を施行されている糖尿病併発閉塞性睡眠時無呼 吸症候群(OSAS)患者に対して、管理栄養士による食事指導を平成25年6月より開始した。今 回は、食事指導の体重と血糖コントロールに対する効果を検証した。

【方法】

糖尿病の治療を継続しているCPAP療法患者を薬物治療の有無と食事指導の有無で4 群に分け、食事指導前後のBMI, HbA1c変化を比較し、更に、BMI減少群については食事指導 の有無によってHbA1c変化を比較した。

【結果】

対象は71名(男性67名52.9±1.2歳、女性4名61.0±3.8歳)、食事指導は36名に、4.3± 0.5回施行した。治療薬あり食事指導あり群28名では、BMI33.0±1.3から32.1±1.3 HbA1c7.7± 0.2から7.4±0.2、治療薬あり食事指導なし群23名では、BMI31.2.±1.9か30.8±1.9 HbA1c6.8± 0.4から6.9±0.4、治療薬なし食事指導あり群8名では、BMI31.6±2.9から31.1±2.7 HbA1c7.0± 0.2から7.1±0.1、治療薬なし食事指導なし群12名では、BMI30.1±1.5から31.0±1.6 HbA1c6.2 ±0.2 から6.5±0.2。治療薬ありの両群では、有意にBMIが低下していたが、HbA1cはいずれ の群でも有意な変化はなかった。 BMIが減少した群の食事指導あり10名では、BMI35.2±3.1から33.7±2.9 HbA1c7.6±0.2から7. 2±0.2。食事指導なし9名では、BMI32.4±2.1から31.5±2.1 HbA1c6.8±0.2 から7.0±0.2で、食 事指導あり群でHbA1cが低下の方向で、食事指導なし群でHbA1cが増加の方向であった。

【考察】

CPAP治療を受けているOSAS患者は、CPAPの保険適応のため、月1回通院をしてお り、それらの患者に外来迅速検査を導入することで、検査結果を説明しながらの継続的な食 事指導が可能であり、食事指導により減量ができた群では、血糖コントロールが改善する可能 性が示唆された。

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