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持続気道陽圧療法施行中の糖尿病併発閉塞性睡眠時無呼吸患者特性からの食事療法対策

岡部クリニック  日比野智香子 及川まなみ 岡部慎一

【目的】

当院は、主に、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)で、持続気道陽圧(CPAP)療法を 施行されている患者が通院し、外来栄養食事指導料算定基準の疾病に対して食事指導をして いる。OSASで糖尿病併発患者の患者特性分析から食事指導方法を検討する。

【方法】

CPAP療法継続のために毎月通院している患者のうち、当院で糖尿病の治療を継続し ている患者の薬物療法の有無と種類、他の生活習慣病(高血圧症、脂質異常症、高尿酸血 症、高度肥満症)の併存率、肥満度とHbA1cの関連を検討した。

【結果】

当院でCPAP療法継続中の1461名中、当院で管理している糖尿病患者は95名(男性89 名54.5±10.0歳、女性6名56.0±10.4歳)であった。糖尿病治療薬なしは、39名で55.9±8.9歳, HbA1c6.5±0.8,BMI30.2。治療薬有りは56名で53.7±10.7歳,HbA1c7.2±0.8,BMI32.7で、治療薬 あり群のHbA1cが有意に高かった(p<0.01)。糖尿病治療薬は、1種類24名、2種類28名、3種 類以上4名平均1.7種類。治療薬あり56名中ビグアナイド薬が57%と最も多く肥満者を中心に 投与され、チアゾリン薬は9%と少なかった。糖尿病を有するCPAP患者の併存症は脂質異常 症85%、高血圧症83%、高尿酸血症23%、高度肥満症56%で、4疾患のうち平均2.5疾患を併 存していた。普通体重(18.5≦BMI<25)群11名のHbA1c6.2±0.8に比較し肥満群(30≦BMI)51 名のHbA1c7.1±1.1で、肥満群で有意にHbA1cが高かった(p<0.05)。

【考察】

糖尿病を併存するCPAP療法OSAS患者は、脂質異常症や高血圧症を高率に併発し、 高度肥満症が半数以上であった。肥満群で、血糖コントロールが悪く、体重管理が重要と思わ れた。CPAP治療を受けているOSAS患者は、月1回の通院により保険適応となり、通院継続 性があるため、生活習慣病の食事指導の継続性を考慮にいれ、1回指導時間や内容を決め て、指導するのが有効ではないかと思われる。

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