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ナルコレプシータイプ1におけるアクチグラフィーおよび睡眠ポリグラフ検査所見

金野優、西條優子、後藤舞、佐藤文紀、澤村篤子、大和田直樹、及川まなみ、岡部慎一 岡部クリニック

【目的】

過眠症患者において、アクチグラフィは睡眠ポリグラフや反復睡眠潜時検査の事前検 査として睡眠時間の確認に有用であるが、過眠症の診断における評価は高くない。今回、過 眠症患者においてナルコレプシータイプ1に特徴的なアクチグラフィ所見が得られるか検討した。

【方法】

過眠症状を主訴に受診し、病歴、アクチグラフィ、睡眠ポリグラフ検査、反復睡眠潜時 検査を施行し、ナルコレプシータイプ1と診断された患者8名(平均年齢29歳、反復睡眠潜時検 査の平均睡眠潜時2.2分)とナルコレプシーが否定された患者8名(平均年齢26歳、反復睡眠潜 時検査の平均睡眠潜時10.1分)のアクチグラフィと睡眠ポリグラフ検査所見を比較検討した

【成績】

アクチグラフィにおける就寝時刻、起床時刻、総就床時間、総睡眠時間、入眠潜時、中 途覚醒時間の平均および標準偏差には両群間で有意な差は認められなかった。睡眠ポリグラ フでは、ナルコレプシー群で有意に入眠潜時とREM睡眠潜時が短く、睡眠段階1の割合が多 く、睡眠段階2の割合が少なかった。また、ナルコレプシー群で覚醒指数が多い傾向がみられた。

【結論】

ナルコレプシータイプ1患者群では、ナルコレプシー以外の過眠症群と比べて、反復睡 眠潜時検査および睡眠ポリグラフ検査で有意に入眠潜時が短縮していたが、アクチグラフィで は、入眠潜時の短縮は見られず、特徴的な所見も認められなかった。

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